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ウィーダ「フランダースの犬」

 

 

村岡花子さんの翻訳です。

この文庫は1954年のものですから、日本人にとって随分と長い年月読まれ続けてきた物語だと思います。

私が子供の頃はアニメになって、それはもうどんだけ泣いたかわかりません。

子供にとっては限りなくトラウマに近いショックなエンディング。

未だにパロディとして時折世間に蘇ってくるフランダースの犬。

しかし原作はもっとハードコアで、子供の頃に受けたダメージとは違った、読んだ人にひどく深刻なダメージを及ぼす名作です。

もしかしたらこれで死ぬほどの心的ダメージを受けているあたくしの方に問題があるのかもしれませんが。

 

 

世の中は不条理です。

 

貧しく生まれ、決して富むことなく、唯一の相棒の犬と一緒に子供のうちに死んでゆく主人公。

それが大まかな流れです。

 

そこにスパイスとなって現れるのが芸術です。

 

主人公は絵が好きで絵がうまい。

いつか絵で賞をもらってその賞金で稼ぐことを夢見ている。

教会に飾られたルーベンスの絵を一目見たいと願いつつもかなわず。

 

貧しいが故に差別され、痛めつけられ、孤独に追いやられる少年。

賞に応募した絵も、素晴らしいけれど、貧しい身の上であるが故に無視される。

心身ともに傷つき果て、最後にたどり着いた教会で、奇跡にもルーベンスの宗教画を見ることができたが、その場で死んでしまう。

 

あんまりですよ。

 

誰よりも芸術を愛し、自分の身のよりどころにしているにもかかわらず、教会の権力で見せてもらえないルーベンスの絵。

命が尽きる間際に見たその絵は、到底自分がたどり着けるものではないことを知る。

絶望と喜びのうちに死んでゆくのですよ。犬と一緒に。

 

私はルーベンスの絵は好きではありません。ただ単に好みでないだけですが。

教会や王族、貴族、といった権力に守られていたからこそ自分の作品を守り抜いた芸術家は偉い。

しかし、そんな戦いをさせねばならなかった貴族や民衆、つまり、戦っていた芸術家以外の(そして芸術家のその家族や身内)人間が憎い。

そんな憎悪が黙々と膨れ上がる読後。

 

いやミス、というジャンルがあるそうですが、それに匹敵するどころか、さらにもっとひどい心理状態に導く物語なんですよ。

この読後感のやり場のない怒りは、北野武の映画「アキレスと亀」に匹敵すると思うし、フランダースの犬の読後に思い浮かんだのはアキレスと亀だった。

 

それらの物語を生み出した作家は、芸術といったものに愛と憎しみを込めてこれらを作ったのだろうし、作家自身もこの渦のような精神状態に答えを見出せずもがいていたのだと思う。

 

 

 

そして私も。

 

誰もいない部屋で激しく嗚咽して、鼻水と涙で窒息しかけましたが、死んじゃいけねえ、と思って踏ん張ったよ。

 

 

大英帝国の美術館で、ダヴィンチの洞窟のマリアをたった一人で見た時の狂おしいまでの衝動がよみがえりましたよ。あのとき私がネロ少年ぐらいひどく傷つき果てていたらその場で確実に死んでたと思う。

 

 

 

フランダースの犬、これをアニメにしようとした人はとんでもないね。

アルプスの少女ハイジ、マルコ、などなど、70年代のアニメ、恐るべしですよ。

原作ちゃんと読んでたら作るの遠慮すると思うけど、その辺はテキトーなのね。

 

そういう思いがあるので、クールジャパンとか言って政府が日本のアニメ文化を世界に自慢げに発信するのを見て、未だに吐き気がするんですよ。

ちゃんと考証してよ。

 

駿さんも言ってるじゃないですか、子供達よ、アニメばっかり見てるんじゃない、と。

見なくていい、とも。

 

アニメはすっかり大人のお友達文化になりましたね。

子供達は今「動画」というものが一番好きです、自分でコントロールしながら見るやつね。

これもある意味吐き気を催すのですが、人ぞれぞれと言えばそれまでなので。

 

 

悶絶したい経験をお求めならば是非このフランダースの犬をどうぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

| 読む | 17:42 | - | - | pookmark
ワンピース 96巻

 

おうちにいる皆さん、外に出ないと死んでしまう病にかかっていませんか?

順調に引きこもりライフをエンジョイしていて欲しいと願っております。

 

こんな時ですから、普段飲み代だとかそんなものに費やしているお金と時間を、ワンピース読破に使ってみてはいかがでしょうか。

 

先日、テレビCMで、この96巻を宣伝してて、びっくりいたしました。

コミックの新刊のCMをやるんか、と。

 

まあ、昔からコロコロコミックとかちゃおとかありましたけどね。

なんか、ワンピース、読んでもいない人たちに向かって、96巻、伏線回収始まる!とか言われてもね。

それって、ワンピつまんねーとか言ってた人たちに向けて、いや、わかるようになってきたから!って懇願しているようにも思えて、出版社も必死なのねと思ってみたり。

 

 

でもまあ、あれですわ、ワンピース、面白いですから!

 

買って読んでくださいね、ヲダッチが健康に生活して、ちゃんとラストシーンが描けるように、そのためにお金払ってると思って、買って読んでね。

 

1巻から96巻までだから、3日ぐらいあれば読めちゃうわよ、それに、お値段だって、普段マッズーいツマミと薄〜いお酒で一回数千円使ってるような人だったらたいした金額じゃないわよね。お金ない人は困ったね・・・タダ読みは犯罪だからそれ以外の方法で。ワタスだって大人買いはできなかったわよ。長年の努力よ。

 

 

特にツマンねーと言われることの多いワノ国編ですが、おまいらばかたれか、それかちゃんと読んできてねーだろという輩の、怠惰な読書力のなせる発言としか思えないんですが、ワノ国ね、面白いんですよ。

アニメしか見ないとか、そういう人だとわかんないわよね。

それに、小学3年生だとわかんないと思う、きめつのなんとかのほうが面白いかもしんないわよね読んだことないけど。

 

でもそこの大人のお友達!

 

このお休みの日々にぜひ読んでみて。

 

合わせて往年の名作時代劇もご覧になって、外出しないと死んでしまう病を予防してくださいませ。

 

 

 

| 読む | 14:56 | - | - | pookmark
高村薫「我らが少女A」

 

久しぶりの高村薫。

 

タイトルでまずびっくり、我らが少女Aですよ。中森明菜やサカキバラが浮かんだあなたも昭和生まれね。

そんで、合田雄一郎シリーズでまた息あがりましたよ。

高村薫が合田を、ってことだけで、ムホッ!と紅潮しますよ。

 

基本的に連載中の小説は読みませんから、ひとまとめになってからです。

なので、これが描かれた2017年と、2020年の今とは社会感覚のタイムラグああります。

ほんの数年ですが、2017年とはなんだったのか、令和に変わる直前の不穏な静けさが、この小説の中にはあったと思います。

2019年は芸術と変態について世間様が賑わいましたね、みんなー、少女A読んでるー?!とワクワクしちゃいましたよ。

全体的には平成の総括。

世田谷一家殺害事件も想起させます。

あの事件もこうだったんだじゃないかな、って気がしました。

 

相変わらずゴリゴリの角ばった文でした。高村薫以外の何物でもない角ばり。

 

 

以下は少々ネタバレです。

高村氏へ宛てての私信という形でいきます。

長い文が読めない人はお引取りを。

 

 

 

 

*****************************

 

 

 

高村さん

 

今回の小説は、コラージュでしたね。

コラージュとは主観を持たない意識外の既成のもので構成されたものです。

目にしたもので気になったものを、元々あった場所から切り取り、同じように切り取られた存在と一緒に重ね合わせ、視点を持った者の無意識の意識をひとまとめにしたものです。

現代美術の誕生から始まった手法であり、絵画のみならず音楽でも使われています。坂本龍一さんも最近見た映画で、大々的にサンプル採集を行っていました。

クラブのDJが大変な人気でもって大金と尊敬を集めていますが、所詮彼らもコラージュしているだけで、オリジナリティと言うよりも編集し直しているのみです。

現代芸術の世界ではもはや新しく生まれ出ずるオリジナリティーなど誰も信じておらず、誰も求めていないのです。

解釈、文脈、と言った言葉でそれらは表現され、納得しあう鑑賞方法が楽しまれているのです。

私たちの脳も記憶の焼き直しで生存しているのです。

私たちは常に、リプリント、re-printをして生きているのです。

 

 

ちなみに、現代芸術の領域以外では、中年以降の時間とお金を持て余した女性たちにコラージュが人気です。

彼女たちはそれを恥も外聞もなくアートと呼び、ただ者でない誰かになりたいと「お気に入り探し」に熱中し、お気に入りの塊を披露しています。手っ取り早く自己承認欲求を叶えてくれるもののようです。

 

私は「我らが少女 A」を読みだした時、一抹の不安を感じました。

もしやもしや高村さんもコラージュおばさんに成り果ててしまったのかと。

 

 

しかし、この文学的コラージュには、合田雄一郎がいたのです。

 

合田は紛れもなく高村さんのオリジナルであり、高村薫という誰もコピーできない一人の人間が生み出した生きた存在であり高村さんの分身です。

その合田がいるだけで、このコラージュ作品は「現代文学作品」として光り輝くのです。

人間の残虐性というゴミのようなコラージュの寄せ集めの中から、匿名の作家ではなく、高村薫という作家をあぶり出すのです。

本屋さんのおすすめ文として、合田シリーズが初めてでも大丈夫!と失笑を禁じえないものをよく見かけましたが、合田シリーズ読んでた方がいいですよ、でなかったらしっちゃかめっちゃかですよ。わけわかんないですよ。

 

 

新聞での連載というところからしてコラージュになってしまうのは当たり前だったとして、さらにその連載中に355枚のイラストや写真がついたっていうのは面白いですね。

高村さんは美術が好きなのですね、というより、見ること、が好きなのだと思います。

 

 

それにしても、高村さんは、観察魔ですね。

それゆえにフィクション臭がついて回ります。もともと小説はフィクションなのだから何を言っているのか、と自分を恥じますが。

例えば会田誠と会田誠好きの変態男の描き方など、高村さんが本物の変態だったらあのように描かないだろうと思います。

ましてや、加納さんにサド小説の表紙になったあの絵をお気に入りと言わせてしまうのは、変態の何がしかを理解しているというより、観察の結果として加納に言わしめているとしか思えません。

加納に勝手な妄想を抱いていた私にはかなり受け入れられない部分です。

しかし変態、つまり、人の本性、とは決して他人には受け入れられないという事実を改めて突きつけられ、再び己の未熟さを恥じました。

はなっからエンターテイメントを求めてはいけない作品だったのです。

 

それと、あの美術教師だった殺された婆さん。

あの人の描写にはかなりリアリズムを感じました。

若い頃から美術教師として社会生活を営み、60過ぎまで画壇の世界に生きてきた女の性というか。やり直してるんですよね、絵描きとしての人生を。多分、自分の絵というものを描いてこなかった絵描きですよ、あの人は。

はっきり言って今時毎朝写生に行くのはかなり珍しい人です。

そういう人は、自分の人生をあきらめないためだけにそんなことをするのです。

戸外で写生をすることを日課とし、それを高尚なる行為と思える人は思考が20世紀初頭の方、つまり、人生50年絵を描いていたとしても、日本に入ってきた西洋美術の歴史を最初っからやり直してることであるのです。

それを60過ぎて必要とするというのは正直絶望です。

心身が衰えている自覚があるにもかかわらず、芸術を、人生を、やり直さなければならない女の冷酷さと絶望をよく描かれていたと思います。

 

 

一部のレヴューではADHDの頭の中をよく描いていたなというのもありましたが、実際あんな人はいっぱいいるんですよね。

買春おじさん、売春少女、シングルマザー、殺人者、被害者、愛を知らない母親、どれも見事に同列に描いていて、これはもはや小説じゃないよ、と思いながら読んでました。

意図しない何かを待ちわびる世界。

吉祥寺や野川周辺がディストピアにしか見えなくなってくる。

それにしてもなぜ木更津?君津中央病院?イオン朝日?

野川周辺は高村さんの思い出の地であるのは理解できるけど、なぜ木更津?

高村さんも海ほたるを潜ってみたかっただけなんでしょうか。

 

 

 

そして読後に感じたのは、私の絵画制作もまた、高村さんの今回の小説における表現と同じだな、と。

僭越ながら思ったのです。

私の絵は抽象画です。

コラージュではありませんが、観察記録、それゆえの記憶の表現です。

 

 

こういう作品ですが、さあ、あなたはどう感じましたか?

こんな風ですけど、あなたはどう生きてどうこの絵を見たのですか?

この絵を見たあなたがこの絵を作るのです、この絵の存在はあなたの感じたことから出来上がっているのです、という問いです。

あなたは誰ですか、今このわけのわからない漠然とした表層に対峙し、感じているものは何ですか、それは私と分かち合えるものですか?

 

私はいつもこのことを制作の根底に置いています。

そうです、私も何を隠そう、観察魔なのですよ。

観察し抜いてそれを一つの画面に収め、そこに答えを持ちこまない。

そして私の分身であるものがそこにあるとすれば、私しか描けない形や色なのです。

 

そして、そのことに何ら気づきを得られなかった鑑賞者は、

 

 

まなし

ちなし

みなし

 

と蔑むのでしょう。

 

 

 

やれやれ。

 

 

こうやって思索の世界を羽ばたかせてくれる高村作品に深くため息をつきつつ、次回こそは合田雄一郎のエンターテイメントが読みたい、読ませて欲しい、読んでから死にたい、と思っています。

どうぞよろしくお願いします。

短編でいいんです。

アホでもいいんです。

ネコを抱っこして溶けた顔をしながら書いたやつでいいんです。

夢を見させてください、現実の中にある夢を。

私ももうすぐあの世へ逝ってしまいます、もう何年も待てません。

 

いつまでもあなたの読者です。

待ってます。

 

 

 

敬具

 

 

 

 

 

 

 

 

| 読む | 21:36 | - | - | pookmark
田中美津「この星は、私の星じゃない」

新年明けてましたの投稿から引き続き、読書レヴューから今年は始めます。

 

 

 

田中美津さんは随分前から存じていました。

お会いしたことはないですが、私が女として生きるのに迷ったり苦悩したりした時に、この人の言葉を読みました。

 

この本は、タイトルに惹かれて手に取りました。

 

なぜなら、私の一番古い記憶というか、悟りが、黄昏時の一番星を見つめて、私は間違ってこの星に生まれてしまった、という絶望なんですね。

 

確か、三輪車に乗っていたので、親に私が三輪車に乗っていたのは何歳ごろかと聞いたら、2歳か3歳ごろ、と言われました。

もっと前かもしれません。

 

間違ってここにいる、私はあの星のあるところから来たと、確信したんですね。

理屈とかじゃないんです、小さな子供ですから。そう思って、自分でも愕然としたことを覚えています。

 

今年は50歳になるのですけど、このタイトルを、しかも馴染みのある方の著作のタイトルで、私と同じ気持ちを持ってるのかと、驚いたわけです。

 

そしてその答えといえば、現状を受け入れることができないでいる自分を納得させるために、そう思っている、という一節でした。

すみません、これは私の受け取りかたであって、言葉が一つひとつ合っているかではないので、確認されたい方は本をお読みください。

 

このタイトルで、美津さんのドキュメンタリー映画も作られ、上映されてましたね。

 

結局、私と美津さんとでは全く違う意味でこの星に生まれた自分というものを受け入れていたのですね。

 

美津さん、映画になるぐらいだから、とても興味深い方です。

フェミも、非フェミも、一度美津さんの言葉に触れると良いと思います。

 

私は美津さんより物理的にこの星は私の星じゃないと思っています。

この世界に、この人間というものにどうしても馴染めない、異質な生命体としか認識できない、もう、間違っちゃって来てしまった、というところです。

社会的に異質なんでしょうけど、私はもっとSFかもしれません。

でもそんなことどうして保育園に入る前ののチビッ子が悟ったりするんですか。

プレアデス星人なんだ、とか、金星人だ、とか、勘弁してくださいよ。

 

 

違いますから。

ネタならいいです。

 

 

 

美津さんに戻りますが、日本て、あんまり、「運動」が起こるってないですよね、デモとか、1960年代で終わってしまった。

でも、やってるみたいですけど、香港やイランとか、グレタさんとか見てると、圧倒的な違いを感じます。

 

フェミニズムなんか、盛り上がったことあるんでしょうか。

LGBTとか、今、流行ってるみたいですけど、どうなんでしょう、定着するのでしょうか。

 

でも、振りかえれば、社会的に過激とみられた主義主張が、時間を経るごとに、ひっそりと馴染んできてますよね。

女性の選挙権とか。

 

そういう積み重ねって、うっかりするとあっという間になくなってたりするんですよね。

 

女性の社会進出を進めようとして頑張ってきたけど、おかげで、市川房枝の時代に逆戻りしてませんか。

仕事と子育ての両立が難しくなっている。

働いても働いても楽にならず、子供を殺す親がいなくならない。

特に母親の置かれている状況は悲惨です。

市川房枝が、女性に権利を!と運動をしたきっかけは、貧しい炭鉱婦が、一日中働いて夜に帰宅しても、食べるものも十分になく、空腹で泣き叫ぶ子供をぶん殴りながら、時には半殺しにしながら自分が先に少ない食事をとり、子供は泣きながら指をしゃぶって眠る姿を見たからだそうです。

今でも、こんな風景あるんですよ、ほとんどの人には見えない風景でしょうけど。

 

フェミニズムがこの国に根付くのはいつなのでしょうね。

 

私は女子大を出ているのですが、大学の教授はほとんど男性で、女性蔑視も甚だしかったのですが、それは想定内。

一番苦しめられたのは、女性の権利とか、女性が生きるのが辛い社会であることを、否定してやまないクラスメートでした。

 

すでにひっそりと積み重ねられてきた女性の生き様を振り返ることもしないから、自分は今楽しいし、嫌がらせされるのは個人の問題だと言ってのけた彼女。

 

あんたがつけてるナプキンは昔はなかったどころか、穢れ者として隔離され自由を奪われていたんだよ、着物だってノーパンで、いつでも強姦されやすいスタイルだった、絵を描く女は精神病院に入れられた、そんな時代から今みたいな時代になったのは、女として一方的に見下され、モノ扱いされないように戦ってきた女性たちのおかげじゃない?と言っても、そんなこと知らない、知らないこと言われてもありがたくないと一蹴。

自分がやりたいことできなくて、それが男社会のせいだったとしても、仕方がないからやらないでいる、と宣言していました。

 

ある意味正しく、とても強い女だったのだけど、今彼女は50を迎えてどうしているでしょうか。

 

美津さんはこの著書の中で、フェミニストの言葉をそのんまんま語ることはいけない、と言っています。

つまり、自分で感じ、自分で考え、自分で行動するってことなのね。

それができないと、尊師に騙され、魂を搾取されるのと同じことになる。

自分都合主義であるという意味を取り違えると、あっという間に濁流にのまれるように、搾取されていくのだと思います。

 

 

感情だけ与えられ、意識を抑制される、これが現代人の多くなのではないでしょうか。

つまり、奴隷であるということ。

 

この星は、私の星じゃない、と思っている人々は案外多いのかもしれない。

美津さんと同じ思いで。

 

私はどうなんでしょうか。

 

 

その答えが見つけたくて、死ぬまでにそれを絵にしようと思っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 読む | 22:42 | - | - | pookmark
柏田雄三「虫への祈り/社寺巡礼」

 

私は虫アレルギーがあります。

アナフィラキシーまではいきませんが、蜂類やムカデにやられると他人様より大きく腫れて痛み、発汗し、動悸がします。

エピペン使うほどではないと毎年頑張ってきましたが、年ごとに弱まっており、来年はまたちゃんと検査してエピペン持っておこうかな、なんて思ってます。

 

蜂は2度目に刺されるとやばいと言いますが、もともとアレルギーがなくても、何度も刺されているうちに強いアレルギーを起こすようになるようです。怖い。

 

自宅は、プロフィールにもあるように、姥捨山の藪の中なので、虫天国。

虫の種類も多いです。

それでも10年前から見るとだいぶ減りました。

害虫が増え、益虫が減りました。

害虫どもは地域で巻かれ続けている殺虫剤に耐性を持ち、益虫は耐性がつく前に絶えてしまいました。

私の家では殺虫剤を使うのは私の寝室の蚊よけと飼い猫のマダニ・ノミ退治用の薬、軒下にスズメバチが巣を作った時のみ。

あとはドライアイスを噴射するタイプで、ムカデと蜂を倒す。

ゴキブリやハエなんかはハエ叩きスマッシュで、蚊も寝ている時以外は手で倒します。

毛虫も結構いるんですけど、殺虫剤を撒いていないせいか、鳥たちがマメに食べてくれていて、ほとんど被害がありません。

ブルーベリーについていたイラガに一度やられましたが。

 

 

虫は大敵です、人間の生命を脅かす時もあります。

農業では薬剤を使わなければ収穫できないこともある。

 

しかし、今の日本の薬剤散布は異常です。

使えば使うほどやっつけたい奴らだけが生き延び、強くなっているのに。

 

虫がいなくてどうやって生きてゆくのですか。

人間はこの惑星上のすべてとつながっているのです。

 

 

私は普段からこの殺虫剤及び除草剤や殺菌剤を使いまくる日本人を憎々しげに傍観しているわけですが、

日本人は過去に、虫塚なる慰霊碑を建立していたのだと、この本を読んで知りました。

 

どうしたって、大量虐殺しなければいけないこともあります。

人間のためにならなかったからです。

でも殺した虫たちの命を慰霊する、そんな精神性を日本人は持っている。

持っていた?

持っていたはず?

虫愛づる姫がいた日本。

ナウシカも大ヒットしたはずなんですが。

 

 

奪わざるをえなかった小さな命のために祈りを欠かさずにいることが、この世の循環のためになり、人間の幸福につながる。

 

 

今は冬ですが、夏になったらまた虫との戦いです。

 

トンボやオオミズアオ、蝶々たちとは戦いません。

それにしても益虫が減りました。

ムカデや蜂は何もしなくたって襲いかかってくるというのに。

あ、蜂は益虫なのよね。

刺されるとひどい目にあうだけで。

ミツバチはほぼいないです、この頃は、地蜂が多い。

地蜂は益虫なんだろうか。

 

 

この本は主に全国の虫塚を紹介しています。

この著者にとっては第2弾の虫塚本。

寺社の境内に一緒に塚が建てられていることが多いようです。

パワスポで御利益を得たいと言いつつ、虫塚をすっぽかすなんてことのないように。

 

 

 

 

 

 

 

| 読む | 16:23 | - | - | pookmark
石川えりこ「あひる」

 

今から数十年前の日本の風景です。

とても良い絵本です。

 

 

食育、という言葉が使われ始めたのはいつでしょう。

 

食べのもが何からできているのか知らない人間が増えたからでしょう。

 

 

人間の意識というのはこの世界を変えます。

 

食べ物に興味をなくせば、その通り、今や、自然界にどれだけ食料があるというのでしょう。

水も、どれだけの水が飲める水なんでしょう。

そのうち命を養う空気もなくすことでしょう。

 

 

はっきり言います。

 

他の命を奪うことでしか人間は生きられないんですよ。

 

工場からくる食べ物も元をただせば奪われた命なんです。

そこに想いを馳せられなくなった人間はもうすぐ滅びるのでしょう。

 

 

なぜ子供を産みたがらないのか。

 

命を養う感覚が抜け落ちた世界に生きてるからですよ。

 

 

顔のシミばっかり気にして、内臓のシミに気がつかない。

 

美味しさの基準がケミカルの味になってしまている。これは経済的に貧しく、余裕のない生活をしている世帯の子どもたちによく見受けられることです。政治しか、解決できない貧困もあるのです。

 

 

魚の生まれる場所、鳥の生まれる場所、稲の育つ場所、水の湧く場所、そこへの思いが消えているから、それらがなくなるのです。

これはオカルトでもスピでもなんでもない、事実です。

 

 

そんな思いをふつふつとたぎらせてくれる絵本でした。

子供から大人までわかりやすく伝わるものがある。

大人目線で描かれた胡散臭さがない。

人間が持っている感謝が伝わる、心の奥底にある私たちの優しさを撫でていくような、そんな絵本。

 

 

付録の冊子が、落合恵子さんの書評なのですが、とても上手にこの本の本質を語ってくれています。

心がざわざわする、ざわざわするためにこの本を読む。

 

 

自然災害も心のどかでカタストロフィを望む人間の心が生み出した産物ではないのでしょうか。

命を顧みないことを日々積み重ねているせいではないのでしょうか。

泥水に飲まれ亡くなった母子を思うことなく「まずまずの災害だった」としれっと言う政治家に、この国を任せているせいではないか。

 

 

私は時々、自分がトンボやスズメ、カエルや雑草、そんなものと変わりない存在だと思うことがあります。

死は循環への入り口なだけなのだと思う。

だからといって軽んじていいものではないと思う。

我々が人間であるならば軽んじていいものではないと思う。

我々は皆殺戮者、命を奪うものなのだから。

ごめんなさい、ありがとう、という気持ちを忘れずにいたい。

 

 

| 読む | 17:23 | - | - | pookmark
劉 慈欣 「三体」

 

 

カバー絵が富安健一郎さんという方で、コンセプトアートの人気作家だそうですが、この本の内容にぴったりの絵でして、そこからグッと引き込まれたのです。

 

ですが、コンセプトアート?という言葉に引っかかり、ウィキペディアでおさらい。

 

コンセプチュアルアート、というのはマルセル・デュシャンの頃から始まった概念の芸術。

その裾野を広げると、アンディ・ウォーホルやオノ・ヨーコや河口龍夫あたりに行き着くので、みなさんご想像がつきやすいかと。

私の芸術形態もこのコンセプチュアルアートに非常に影響を受けています。

最初、このコンセプチュアルアートとは違う気がするけど、何だろうという疑問が湧いて。

 

で、コンセプトアート、と呼ばれるものは皆どれも「コンセプト」を「写実的に」表現し、商業デザインの試作というか、クラインとありきなんですね、ってことも、知らんなんで。

この本読んで、そんな「最近の事情」を知りましたですよ。

 

 

私はそんなにSFは詳しくないんですが、好きです。

SF好きな方はマニアな方が多いような気がして、こうしてブログに綴るのもちょっと気がひけるのですが、

サイドバーにもあるように、星を継ぐもの、や、アーサー・C・クラークなんか大好きですし、わりと私の人生観に影響を与えているのはSF的世界だったりします。

 

読んでまずビックリだったのは、中国人が文化大革命の頃を残酷な表現として描いたものがヒューゴー賞とったりする時代になったのだなと。

 

内容はその時代から幕を開けて、今の時代にぴったりとくる先端科学技術のお話になり、近未来を予測させる内容となっていて、これはウケるだろうなーと思いながら読みました。

 

この物語は3部作なので、まだまだこれからなんですね。

ずいぶん前に原書は発行されているので、日本語訳はずいぶん遅くなってからの発行ですから、ちょっと世界から取り残された気分なのですが、読後の第一印象としては、

 

ここまで人類嫌悪が広がってるのか、と。

 

 

このところ、人類を滅亡させる、あるいは滅亡になるであろうと予感させる映画、のドラマや映画などをよく見たんですよ。

 

いつかレヴューしたいイギリスのドラマで、「ユートピア」というのがあるんですけどね、

これもそうなんですね。

 

あと、先日レヴューしたブレードランナーもそうでしたね。

大好きなマッドマックスシリーズもそうですね。

あ、ただ単に私がそういうのばっかり選んでるんでしょうか。

 

若かりし頃読んだ「侍女の物語」

これもそうでしたしが、この本が出た時よりもその人類滅亡願望って加速してる気がします。

 

 

先日、スウェーデンのすんごいほっそい女の子がヨットに乗ってニューヨークに行って地球温暖化に抗議のデモを繰り広げるってニュースを見ました。

あと、アマゾンの火災で地球の肺が燃えてると訴えたフランスのマクロンさん、とかね。

地球温暖化に関してはやはり寒い国の人々はヒステリックになるのでしょう、ですが、南の島の人たちはヒステリックに騒いでも見向きもされず、今はひたひたと押し寄せる絶望に声を失っているのではないでしょうか。

ヨーロッパ人は心の奥底に、この環境破壊をもたらしたのは白人文明のせいなんじゃないかって密かな罪悪感を抱いてると思うんですよ。それゆえに一部ヒステリックになる人々がいる。

捕鯨もそうよね、最初に全滅するほど乱獲したのは誰よ、って話です。

移民反対とか言ってるアメリカ人も、先祖は原住民虐殺して大地を乗っ取ってますから。

日本も北海道はアイヌ民族の土地でしたよ、知ってましたか?知ってますよね?

 

 

そして、この、中国在住の方が描いたディストピアの世界。

暗澹たる思いで読み終えるところだったのですが、最後のイナゴの場面で、次が大いに期待できる展開になるんじゃないかと思っているのです。

これは、大地を知ってる人間でなければ湧いてこない発想だと思うのですよ。

中国って国が大きくて、何だか、どうにかなるだろう、って生きてる人が多い気がするんですよね。

まあ、私は日本人ですが、どうにかなるだろうって思ってないと自殺しかねない人間なんですけども。

 

 

今、世界で真っ先に絶滅しているのが昆虫、魚類です。

私たち人間が幸せに暮らせるのは、生物多様性が維持された世界のみです。

なぜなら、人間は他の命をいただくことでしか生き延びられないからです。

でもそのバランスが崩れている。

人類の先が見えてきたわけです。

 

人類の総人口は徐々に減ってくるとは思いますが、それでも、アフリカやインドの人口は減らないと思います。

減っている国はなぜ減るのか。

様々な原因があるにせよ、

そこでは女性性が搾取されているのではないかと思います。

生むのは女ですから。

これも様々に理由があるのでしょうが、

産みたいけど、育てたいけど、無理な世の中である、ということに尽きると思います。

現代の経済は男性原理で成り立っているのですから、経済が発展すればするほど不妊社会になるのだと思います。

でも、人口が多すぎれば、食扶持の取り合いで戦争になる。

 

人類のことを真剣に思えば思うほど、

もう、終わりにしちゃえ、と、真剣に思う狂気の人々が現れてもおかしくありません。

 

この三体においても、主人公の一人である女性科学者の人生は過酷です。

迷いなく応答した彼女の気持ちがわかる私。

そして、この巻では深く触れられていなかったのですが、彼女の娘である女性もまた、生きることに絶望していた。

 

じゃあ未来は?

これからどうすんの?

我々の知性を超えた存在が現れたら?

我々が虫けられでいられるうちはなんとかなるだろうか?

 

今まで私が読んできたSFよりも、哲学性は薄めだけれど、今やこの先を考えるような物語になっている。

来年に続編が出るそうで、楽しみにしています。

物語に出てくる3、そして45、という数字に興味があります。

楽しい未来を待ちます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 読む | 21:15 | - | - | pookmark
町田康「猫のよびごえ」

 

町田康の猫エッセイの4冊目。

 

町田さん、私はつい最近まであなたのことを町田町蔵って思い込んでました。

確かにあなたは町蔵さんだったはず。

でも、私の身の回りの誰に聞いても、町田康は町田康でしょ、といわれ、町田町蔵は何処へ、と思ってましたら、内田百里澆燭い頁馬鹿になっていたのですね。

でも、内田百里茲蝓町田康さんの方が、まともな人だなあと、思いましたよ。

だってあなたは、猫がいなくなっても、また、日常を生きていたのですから。すっかり駄目人間にならず、原稿、書き続けていましたもの。

でも、それは、悪いこっちゃないですよ、少なくとも、家族にとっては稼いでもらわないと。

 

全4冊の中で、とても辛いのはゲンゾーの巻。

猫を失ったものにとってあれを読むのは辛い。

数々のトラウマが蘇り、具合が悪くなるほど、悲しい。

飼い猫を失うのは、自分が死ぬのに等しい。

1番気楽に読めたのは4冊目のこの、猫のよびごえ。

辛い別れの場面が少なかった。

 

「生きていく」

 

その言葉がとても、心地よかった。

 

ビーチ、可愛いね。

 

タイトルが全部いいよね、

 

猫にかまけて

猫とあほんだら

猫のあしあと

猫のよびごえ

 

このどれもに愛が詰まってる

 

それにしてもこのご夫妻、猫、犬、どんどん増えてしまって。

ちょっと心配。

 

でもまあ、おかげで、内田百里稜随筆以来の愉しみを与えてもらいました。

 

2019年の町田家の様子も知りたいので、またいつか、連載頑張ってください。

 

 

 

| 読む | 17:13 | - | - | pookmark
ロッキングオン 2019年8月号

 

久しぶりに、何年かぶりにRO買いました。

表紙がね、トムさんかっこよかったからね。

あと、ブライアン・イーノとかU2とかね、載ってたし。

 

相変わらず読むところは少ないんだけど、正直、トムのインタヴューってなんかいつもどこかはぐらかされてるようなね、そんな気がしてね。そういうところはマドンナと似てたり。

イーノ先生は相変わらず勉強になります先生はいっ!って感じで。U2に関してはもう・・・・ボノはいつからズラに?!とか、そんなことしか目が行かなくなってしまいました。

というか、彼らについてはいろいろとくどくどとなるのでまたいつか。

 

で、レディオヘッドのアルバムレビューがそれぞれにライターの熱がこもってましたね。

 

その中でも、A MOON SHAPED POOLのレビューは良かったです。

 

というか、私の感じていたこと、このアルバムは「愛」についてのアルバムなんでは、http://bigcatssleep.jugem.jp/?month=201608 と思っていたので共感しましたよ、ありがとう。

 

トムさんの新しいアルバムについてはもう少し聴きこんでから感想発表。

今は、TOMORROW'S MODERN BOXESを楽しんでおります。

 

ロッキングオン、契約社員募集してたわね。

契約社員とか、ちょっとセコイ気もしたけど。

以外と今の若者って正社員希望してる子いるわよ。

それだけ経済的に苦労してる子が多いのよ。

会社の考えもあるだろうけど。

 

夏はフェスとか多いからね、なんだか落ち着かないんだけども、(来日する人々のことを考えると夜も眠れないんだけども、顎が外れるほど歯ぎしりしてるんだけども)音楽ファンの皆さませいぜい体力発散させてください。

 

 

 

| 読む | 23:50 | - | - | pookmark
ワンピース91巻

 

 

エーズぐん!・!・!

 

 

オラわよ、(グスっ)オラは、ここんとこ余裕ない人生でよ、(グスグスっ)世間のおねいさんがたのお部屋ばあんまし訪問でぎながったがらよ(涙涙)

ネタバレってながっだだよね。

 

だがらよ、もうよ、びっくりしちまってよ(グスン)

 

エースを待ってた娘っ子がいだなんてよ(泣くよ、なぐしかねえよ)

 

 

はあ、なんだがよ、90、91巻とよ、なんか怒涛だわ、ばあさん、息も絶え絶えだわよ。

 

 

なんか、ルフィ太郎も大人な表情するしよ、なんか、オラよ、感慨深いよ。

 

はあ面白すぎてよ、オラ、何度も読み返すよ、今回は

 

 

すごいよ。

 

 

インペルダウンの穴がどうやってできたかとかさ、もう、穴掘る能力とかさ、もう、おダッチ、ババア責めだな、くううっ!

 

モーリー!愛してるぜ!

 

 

あちし、ワンピースが終わるまで絶対死にません。

 

 

誓う!何度でも!!

 

(海賊王に!おれはなる!!)

 

 

そうだ、

 

 

しのぶ!

 

 

愛してるよ!

 

 

トモダチ!!

 

 

 

 

あと、お菊男子説に希望として1票な。

 

 

 

 

よろしく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 読む | 21:53 | - | - | pookmark