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映画「チャッピー」

チャッピィぃぃぃぃぃぃ〜〜〜〜〜〜〜~っ!!!!!

 

チャッピーってさ、私、子供の頃からよく使う言葉だったのよね。

 

小学校の頃のクラスメイトの小柄な男子のあだ名もチャッピーだったし。

犬や猫のあだ名とか。

 

やや侮蔑がこもってたわよね。

このチャッピーを使う時には。

あだ名としてのみ使用するというか。

なんでだか知らないけど。

 

だからさ、この映画のタイトル見たときも、ああ、これはB級SF映画だんべ、笑えるんだべ、とタカをくくってたわけさ。

 

ロボッコップの21世紀解釈版かしらね、と思わせる始まりから、「楽しいやつ」ハッピー・チャッピー、からチャッピーと名付けられたドロイド。(ロボット、はどうやら未来にはいないらしい)

 

出演者がでもさ、シガニー・ウィーバー・・・・?納得のインチキくさい演技。

エックスメンの人?あれ?顔ちが?

あ、この人、ミリオネアの人?

ヨーランディのビジュアルがマジですか、ニンジャってなんだよ笑わせんなよ?(追記:このお二方は南アフリカでは人気のあるバンドメンバーで、一応そのビジュアルのまんまでこの映画に出演、美術、楽曲も担当したそうですわよ!うほい!)

あれ、ニール・ブロムカンプさんが監督・・・・

 

あら、AIって最初赤ちゃんなのね。

ヨーランディの母性がチャッピーと名付け、チャッピーに善性を与えてるように見えるけど、母性というよりこれは自己愛ね、こういう母ちゃん(時には男より残虐なことを平気でする)の子供への愛情はほぼ自己愛だものね、でもって、ニンジャの男性原理の果てしない暴力性とアホさ加減がもうすごいわかりやすいわ〜〜

 

んで、

チャッピーがどんどん汚されていく図が耐えられなくなってくるのよ。

ここで私、コーヒー淹れに台所にちょっと引っ込んだぐらいよ。

この、悪への嫌悪感、倉本聰の脚本でもよく出てくるのよね、というか、倉本聰ってなんであんなに人間の嫌なところ描くのうまいのかしら!そしてその嫌な人間の落とし所がさ、これまたなんとも言えんの。

チャッピーの汚れもまた然り。

 

 

そして、一番の穢れはムース父ちゃんね!!

ンマー本当に、こんなおっさん(にいちゃん)いっぱいいるわよね!!

くそやろうよね!!!

なんか色々ともぎ取ってやりたくなるわよね!!

 

 

でもって、こっそり嫌な人間がディオンさんなんだけど。

 

こんなディオンさんのような人間をよくご存知であろう、ジーニアス・スティーヴン・ホーキング博士は AI否定派。

今朝の記事https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170912-00010004-flash-entでは人間は100年後に滅びると予言されてたわ。

ご神託よ、みなさん、そこらへんのギリギリスピな方々のつぶやきと比べないでよ、博士のは本当にご神託よ、しかもセミナー1時間数万円も獲ったりしないわよ、タダでご神託よ!!!!

 

 

つい最近、チューリングさんのことを知ったのだけど、彼が「脳を作る」と宣言してからまだ100年も経ってないのだけど、もう既に人口脳が人間のコントロールの効かない域へ行き始めてるわよね。

 AIは結果(結論)は出すけど、その過程は証明できない、とかさ。怖いわよ。

サイコなばあさんに「あんた社会不適応」と言われて給料取り上げられるのと同じぐらい酷いわよ。

 

もともと、どんな機械であれ、特定の人物が来ると動かなくなったりとか、相性があるのよ。

触ってるだけなのにすぐ機械壊す人とか(あたくし)

 

動くものには全て魂が宿るんじゃないのかしら。

長く使われてきた道具は妖怪になる、という鳴釜という存在(思想)は我が国に馴染み深いし。

鉄腕アトムもいるしね。

 

 

長くなったけど、だからこそ!

 

 

チャッピーが可愛くなるのよ!!

 

いいヨーランディになるのよ!観客わ!

(いいヨーランディは生き返り、悪いヨーランディは死ぬのです)

 

 

 

にしてもさ、いろいろ切羽詰まって胸いっぱいの時にさ、ニンジャのおっさんが「テンション」て書いてある赤いズボン履いて一人切なくなってんだわ、なんだよあれ(笑)あのズボン買ったの上野か浅草だろ?

 

 

 

1977年に2001年宇宙の旅の第1刷が日本で発売され、その時、みんなハルにびっくりだったのよね。さすがSF!とかいう感じで。

よくわかんねー、とか。

よくわかんねー映画=キューブリック、とか、あったわけさ。

あたいはよくわかったわよ!

 

そして2015年にこの映画が作られて、ロボットが未来からいなくなって、ガンダム(ムース)まで吹っ飛ばされて、 AIが人間の究極の欲望である「永遠の命」を得る可能性を示した映画がこれなのね。

人間の善も悪も両方ひっくるめて受け入れる術を示した映画ができたのね。

 

銀河鉄道999やアトム、ハーロック、ハル、脈々と受け継がれてきた「永遠に生きる」というテーマの終焉がどこに行くのか、まだわからない。

人間はまだ生殖できてるからさ、深く考えることなく「意識」というものを繰り返しほぼ永遠に繋げてるわけさ、遺伝子を通じて。だから、今までAIなくても良かったんだけど、そろそろ AI作っとかないと意識やばそう、と、無意識で感じてるのかもしれない。だからこそのホーキング博士のご神託なわけよね。

 

 

チューリングが強く望んだ、機械の脳の誕生は、唯一無二の自分の愛であった友の死から生まれたに違いない。

シェリーのフランケンシュタインが20世紀を経て21世紀になり、このような姿で提言される。

 

私も、「生み出す」仕事を人生の軸にしてきた。

 

だからずっとこの流れには注目して行きたい。

 

 

そして、チャッピー。

普遍的な人間のテーマを描いたいい作品だったわ。B判定かどうかは微妙だけど。

 

 

 

で、私、これからは、勇気ある者への愛称として、「チャッピー」を使うことにするわ。

 

 

 

 

 

おチャッピー、とか、言いません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 観る | 22:29 | - | - | pookmark
デヴィッド・リンチ「ツイン・ピークス The Return」第1回

観てしまいました。

 

wowowの無料視聴で。

 

あの曲がね、北の国からと同じ効果があってね、あっという間にあの世界に戻ったわよ。

 

 

もう本当に。

 

 

ゾッとした。

 

 

怖かったッ!

 

 

ツインピークスも、若かりし頃、レーザーディスク買うほど嵌まったドラマです。

 

実際、あのオレゴンの深い森は訪れて知ってますからね、街の雰囲気とか、アメリカの片田舎とか、とにかく、リアリズムな、悪夢。

 

 

 

今回も、悪夢以外の何物でもない。

 

もう、あたし、ビビりすぎ。

 

あのガラス箱、何もないわけないでしょ、あたい、ボブのこと知ってんのよ。

ビビるわよ、怖いわよ。

でも観るわよ!

 

 

デヴィッド・リンチの頭の中ほどどうなってるのかわからないものはない。

あの恐ろしさ。

不安。

現実に潜む言葉にならないおぞましさ。

怖いのに一瞬一瞬に笑いが引き起こされる。

笑わずにはいられない。

怖い。

怖い。

 

 

怖い。

 

笑っても怖い。

 

 

観てて目眩がした。さらに不安になった。

弱い自分!

頑張れ46歳!

 

 

スプラッタでもゾンビでもサイコでもなく、これは何と呼べばいいの。

 

 

何も変わっておらず、また、ものすごく変わったところもある。

 

リンチ映画におっぱいが!とかさ、丸太レディがまるで癌治療中患者みたかったり。

逆回転、滝、長髪のデイル、ニューヨーク、コーヒー・・・・

 

 

自分の脳内のクワエットルームが目覚めさせられて、あたし、怖い。

 

 

でも、wowow入ってないから、続きはまたいつか!

 

 

 

うん、それでいいよ!

 

 

続けて見てたら身がもたないよ!

X-ファイル2016とは違うよ!

 

 

みんな頑張ってね!

あたし、後から行くからさ!!!

 

 

 

 

 

| 観る | 22:03 | - | - | pookmark
映画 「マッドマックス 怒りのデスロード」

本当に最高傑作でした。

 

ほんとにもう、ひゃっはあああああ〜〜〜〜〜〜!!!!

 

という激しい渦に巻き込まれてしばらく帰ってこられませんでした。

 

タイムリーでいつも見てないので、世間様の渦とはだいぶ時差がありますけれども。

 

あまりにもひゃっはあ〜〜〜!!なので、支離滅裂な文章になることをどうぞお許しくだされ。

 

まあ初めに言っとくけど、これ、映画好きなら絶対見てね!

好き嫌いとかじゃないから!

これは見なきゃいけないの!!!

 

内容は一言で言えば

 

 

 

行って帰ってくるだけ

 

 

ヒャアッハアア〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!

 

 

witnessed!

 

 

 

マッドマックス・シリーズは私の青春でもありました。

メル・ギブソンも若い頃はえらいかっこよかったんですよっ。

 

怒りのデスロードの特番でも語られていますが、1980年代は世紀末表現がポピュラーな表現として、子供から大人まで目にしていたわけです。

 

北斗の拳も、私はタイムリー。

(ちなみに好きなキャラはトキ)

AKIRAもな。

ナウシカもな。

未来少年コナンもな。

 

冷戦時代とか、もう歴史なんだけど、今はどうなの、この2017年という時代は。

 

 

 

一見どこにでもあるような風景だけれども、すでに荒廃し、明日への不安が必ずある日常。

それがマッドマックス1。

あのトゥーカッターがジョー様だと知った時にはもう「ヒデブ!!!」って感じよ、どうしてくれようそれだけでこの高揚感。

 

マッドマックス2、3と続いて、どんだけ間が空いたのよって頃に、今度のマッドマックスはフェミニスト賞だってよって耳にして。

 

確かに、ヒーローものなんだけど、出てくる女性はみんな強かった。

男はみんなカスみたいな描写なんだけど、女は清く美しく強かった。

マックスの妻の蹴り、ばあさんのショットガン、白い衣装の女戦士、砂漠でピンヒールのアウンティ、鉄の馬に乗る女、絹をまとった妊婦、そして新しい英雄伝説であるフュリオサ大隊長!!

 

はーもー。

 

思い出すだけでも疲れるほど興奮。

 

 

ジョージ・ミラー監督のあの風貌も好き。あの人見てるだけで楽しい。

 

 

全4作、みんな繋がってるし、小道具がちゃんとつながって出てくるのが面白い。

まあ、大体、ジョー様が大変よもう、生きてたんかい!!??って妄想全開で勝手に動揺するぐらいだからね。

球の出ないショットガンとか、オルゴール、毛髪を奪う子供・・・

 

 

 

白塗りのウォーボーイズも好きです。

 

白塗りといえば日本のお家芸。

ミラー監督は、日本人が字幕なしでもよくわかる映画を作るのがモットーらしいのです。

ありがたや。

歌舞伎、舞妓、山海塾(アンド麿赤児様)のおかげで、私たち日本人はあの世とこの世をつなぐ存在を白塗りの「演じる人」によって理解してきた。

まあ、ウォーボーイズはたくましいし、西洋文化のスタイルに則ってはいるけれども。

 

一言で言えば不気味よ、不気味な文化よあははは。

 

またここで語りだすと嫌なババアになるのでここで止めておく。

 

 

でもな、終末思想については少し語るわ。

 

人類の終末思想は人類始まって以来ずっとあって、集団心理として、滅びへの関心は生への関心と同様だった。

文化が生まれると必ずそこには滅びの信仰が出てくる。

人々の関心は愛よりも暴力へ、破壊の力が現れた時には普段繋がない手をつなぐ。

でも、どの世界でも、「望まれた」終末は未だ訪れておらず、終末は終末として進行し続けている。

 

それかもしくは、この人類を含め、地球上の記憶を持つ存在にとって終わってることが何度かあり、その記憶が終末思想となっているような気もする。

地軸が反転したり、彗星がぶつかったら確実に生命は終わっただろうし、その記憶があるのね。

 

現在は、チェルノブイリと福島が人々の終末風景を表している場所だと思うの。

それなのになぜか大勢の人は見て見ぬ振りよ、恐ろしいのね。

この世の終わりを念頭に生きている人々はチェルノブイリと福島へ行けばいいと思う。

案外退屈するわよ、で、退屈する自分に気づいてほしいわ。愚かな気持ちになると思う。

 

 

ともあれ。

 

 

この映画。

 

 

ファンタジーとも言えない、黙示録みたいなもの。

 

ただの終末ドキュメントではないのは、そこに英雄がいるから。

 

英雄とは人間。

 

愛を持つ人間。

 

複雑な脳の活動に翻弄される細胞の塊である英雄。

 

 

私たちは人間だから、人間に永遠を求める。

 

その辺をズバリ描き切った映画なのね。

 

 

 

 

いろんなことを考えさせられ、楽しみ、興奮し、とりあえず生きてて良かったと思わせてくれた数十分に感謝。

 

 

パンフレットもあとで買いましょう。

 

 

あ、できれば舞台裏のインタヴューなどもぜひ一緒にご覧になって。

 

 

ミラー監督もあと10年は映画撮ってください。

 

 

 

 

 

 

 

あ、ついでに一言、言い訳がましく警告。

17歳の我が娘は「キモい!ちょーきもい!こんなの見てなんで喜んでんの?!頭おかしいんじゃない?!キモスギル!」とほんの数秒見ただけで毒づいていましたので、その辺ダメな人はお気をつけください。

 

 

 

 

 

 

 

 

| 観る | 21:11 | - | - | pookmark
GLASTONBURY 2017 RADIOHEAD

数日前にグラストンベリ−2017のRADIOHEADのFULL LIVEを観ました。

 

 

まさか、彼方まで行ってませんがな。

BBCのやつですな。

 

特に良かったのはLUCKY、BLOOM、KARMAPOLICEでした。

 

 

LUCKYがラブソングだったことにこの時始めて気がついたこの愚か者。

そこからはもう、夢ごごちの2時間でございましたよ。

RADEIOHEADとはこんなに愛に溢れたバンドでしたっけ、ええそうでしたとも。

 

NO SURPRISESの時にテレーザさんへのメッセージがあったりするところあたりがいいわね。

日本人の大人気の誰かがサマソニとかで「ともみ!(もしくはしんぞう)出てく時は扉を閉めるの忘れるなよ!」とか言って欲しいもんです。

 

イスラエル公演で人権派の人々と一悶着あるようですが、RADIOHEADはずっと政治を忘れてきていないので、言ってることがおかしなことではないと思うし、イスラエル公演やるのは大正解だと思うし、ジョン・レノンも生きてたら行ったと思うし、(それぐらいありえることだと思うし)イスラエルで自分たちの音楽をやるということ事がすごい人権活動だと思いますがね。

人前で生身でむき出しで舞台に立つ勇気を人権活動団体の皆様だってよくご存知だと思うのですが。

人権活動団体の皆様もこの頃焼きが回ってきているんだと思った方がいいと思える様子ね。

 

 

それにしてもライブ中はジョニーさんの頚椎が心配になりました。

よしきさんも、首には気をつけてって言ってたよ。

 

 

私、相変わらず時折観客の顔が映されたりすると急激にがっくりするので横向いてました。

やっぱりこんな人間は会場には行けません。

ごめんなさい。

CREEPで大喜びとかね、ちょっとオエッてなるのですが、その時のバンドの勇姿に(メンタルの強さに)あたくしも大変勇気づけられましたわ。

 

 

数年前に、彼らはこのまま行けばU2やローリングストーンズのようになってしまうかもしれないと思っていました。

今は、彼らはあの人達とは違う道だけども、同じく長い道のりを行くのだと思っています。

 

 

私が生きている間はずっと彼らも生きていて欲しいです。

 

 

| 観る | 22:19 | - | - | pookmark
Radiohead I Promise

 

まるで自分の視点を映像化されたようで驚いた。

自分がそこにいた。

もちろん首だけのアンドロイドが自分だった。

 

素晴らしいね。

本当に素晴らしいね。

いい曲だし、素晴らしいね。

 

これ見て笑う人もいるだろうけど、私は号泣でしたよ。

あまりにも素晴らしくてね。

 

夜のバス、乗ったことある?

人気のないバス。

隣を走るバスや暗がりに浮かび上がり通り過ぎてゆく街にも人はいる、まばらに。

その一人一人の顔や姿、姿や状況までがあまりにもくっきりと見える。

 

私の首から下は動かない。

私の首から下は失われている。

私は瞬きをし、見えたものにうっすらと反応する。

空を見上げる

見上げる・・・

 

 

自分を理解してもらおうということをやめたいと思っている

 

でもここに自分がいるとわかった時、泣いてしまった

私が見て、感じていることがここにあるとわかって、泣いてしまった

 

 

自分は本当に

こんな顔をしているから

だからね

 

I won't run away no more, I promise
Even when I get bored, I promise
Even when you lock me out, I promise
I say my prayers every night, I promise
I don't wish that I'm strict, I promise
The tantrums and the chilling chats, I promise
Even when the ship is wrecked, I promise
Tie me to the rotten deck, I promise
I won't fool around no more, I promise
Even when I get bored, I promise
Even when you lock me out, I promise
I say my prayers every night, I promise
I won't fool around no more, I promise


私も何度この言葉を誓ったか・・・
| 観る | 20:47 | - | - | pookmark
ドラマ「 THE FALL 」、それと私について

自分から出たものは自分に返ってくる。

恐ろしい人間の世界。

笑顔でいれば笑顔をもらえる。

暴力は暴力で帰ってくる。

自分の排泄物も巡り巡って自分の体内に戻る。

限りない循環の世界。

 

それがわかっている人ばかりではない。

暴力を振るうことで自分が受けた暴力を恐れなくなるので暴力を止められない。

笑顔を続けたおかげで自分を見失う。

被害者を被害者と思わず、恐怖さえ自己責任とし、悪を無視する。

都合のいい人間世界。

 

自殺する人間や虐殺される人間も後を絶たないが、生まれる人間の方が多い。

生命力が破壊的な人類。

 

笑顔でいましょう、愛しましょう、平和でいましょう、そう思っても思っても悪はつけ込んでくる。善の顔をしてつけ込んでくる。

 

いい人でいましょう。いい人になりましょう。

いいものを人に与えましょう。

そんなことを聞かされ続けながら、悪を目にする。

相反する世界。

 

完璧な悪は何食わぬ顔でそばにいる。

完璧な悪は逃げ果せる。

虚しい人間世界。

 

完璧な悪を見つけられる人は少ない。

悪の中に善を見出そうとする人は完全なる悪を知らない。

悪を知る人は直感的に悪を見分けられる。

善の中に潜む悪を感じ、一人悪寒に震える。

決定的な暴力を知る人は恐怖に身動きが取れなくなる。

暴力を「思いやりとやさしさ」でコントロールできると信じる人間は、本当の悪を知らない。

しかし、無いものを心底恐れることなどできないから、知っている人間を知っていることの責任を取れと言うようになる。自己責任として悪に痛めつけられるのは仕方が無いと。

 

悪を遠ざけられないのなら逃げるしかないのだけれど、悪は常にそばにいる。

どんなに時間が経っても巻き込んでくる。

ぞっとする。

 

 

 

 

警視ステラ・ギブソン、大変面白かったです。

一つの犯罪と一人の犯人について、シーズン1〜3で描ききりました。

クライムサスペンスのドラマは好きなのですが、だいたい一話完結だったりするので、そのアップテンポに物足りなさを感じる時があるのですが、このドラマはじっくり見せてくれました。あまりの暗さにたじろぐ人もいるかと思う。

 

 

 

善の中に潜む悪を引きずり出し、償わせたい一心で主人公は殺されるギリギリまで立ち向かう。

正義の人は自分が殺される位置にまで行かないとならない。

人間の世界とは本当に残虐だ。

 

 

傷つき果てた主人公でも、幸せと喜びの記憶がある。

痛みとの付き合い方を誰よりも知っている。

人間として生まれ、生きる上で、最後にはそれが有るか無しかで生きるか死ぬかが決まるのだと思う。

 

 

シーズン3の最終回、傷ついた主人公に、ERの医師が寄り添い、質問をする。

私も心のなかでその質問に答えていた。

 

 

 

いいことを思い出して。

 

 

 

一番幸せだった記憶は?

 

花と猫。

家族との食卓。

寝床の壁紙。

音楽。

私を愛してくれる人がいた

私に優しくしてくれる人がいた

 

 

得意なものは?

 

おいしものを作る。

好きな人を心から愛する。

 

 

これからしたいことは?

 

海の見える寝室で死が来る日まで寝起きすること。

世界中の美術館を巡る。

子供達と一緒に。

 

 

私は残虐さから生き延びたい。

理不尽さや人類の生存競争から降りたい。

残酷な人の善意から逃げたい。

悪意から守られたい。

巡り巡って自分に返ると諭す人間から逃げたい。

返ると還るは違う。

私はいつも自分、還ることなどないぐらい自分。

迷い苦しむ人から見れば羨望の的だろう。

悔しくて痛めつけたくなるだろう。

自分自身でいることで痛めつけられるこの世とは関わりたくないと思う。

しかし残念ながら人間なので、そうもいかない。

 

 

だから私は絵を描き続けるしかなく、それが私の救いで、私の正義であり、悪と対峙する武器なのだと思う。

悪と対峙し血塗れになりながらも生きるステラ・ギブソンがいいと思うのも、そこから。

 

 

| 観る | 21:14 | - | - | pookmark
royal blood アルバムトレイラー

こういう絵のあり方って好きです。

こういう絵のやり方というか。

 

こういうセンスが好き。

 

いいなと思います。

 

音楽もまあまあ。

| 観る | 22:59 | - | - | pookmark
ジャン・コクトー「美女と野獣」
評価:
---
IVC,Ltd.(VC)(D)
¥ 1,612
(2009-03-19)

1970年生まれの私にとって、美女と野獣というタイトルの映画は、ジャン・コクトーの美女と野獣以外ありません。

 

モノクロームの映画です。

ベルは特別な美人でもなく、野獣もわかりやすいたてがみがあったりするわけでもない。意地悪な姉、村人、森、野獣の屋敷、夜空。すべてのシーンが美しいのです。

 

私がその映画を見たのは小学生の頃だったと思います。

NHKの番組だったでしょうか。

その頃はレンタルビデオも普通にあったわけではなく、映画館でリバイバル上映されるようなことも少なく、ましてや田舎の町の映画館で上映されるわけもなかったのです。

なので、小さなテレビ画面で、私は永遠のテーマを見つけたようなものです。

美しさとはどういうことなのか、自分にとっても美をどう表現するべきなのか、この映画で教わったようなものです。

 

ジャン・コクトーは同性愛者でした。

だからこそ、この映画を撮れたのです。

(両性愛者という説もありますが、彼の残した作品を見る限り、同性愛者だと思います。同性愛者の人が異性に対して強い憧れを持つことはよくあることなので、その辺が両性愛者と言われてしまっているところのなのではないでしょうか)

 

今話題のディズニー映画版では、悪者の手下が同性愛者としてはっきりと描かれているために上映を禁止した国もあるとか。

また、ディズニーが初めて公式に同性愛キャラを描いたとして話題になっているのを知って、鼻白む思いです。

美女と野獣の実写化においての先駆者を無き者にしてきたのはなんなのでしょう。今、世界で美女と野獣って言ったら、ディズニーでしょ?ミュージカル仕立ての勧進帳悪でしょう?

コクトーが描いた世界観など微塵も感じさせないアニメーション、そしてまさにアメリカンな実写映画が美女と野獣になってしまった。

コクトーの映画あってこその、美女と野獣なのではないでしょうか。

 

 

少女の私にとって、美女と野獣のラブロマンスを見事に描いた監督が「ホモ」だったことは何にも問題になりませんでした。「ホモ」と言ったのは両親です。

私がこの映画を絶賛するたびに、ちょっと顔を歪めて微笑んでいた母や、作品については見事に解説をしてくれるのに、監督については語りたがらなかった父を思い出します。

 

醜い自分が愛によって美しいものへと蘇り、異なる者同士が愛しあえる瞬間を、コクトーはどれほど望んだことでしょうか。

社会から疎まれ、終わらない孤独を抱えた者が愛を得たとき、どうなるのか。

 

コクトーが来日をした時に得たインスピレーションがこの映画で生かされているそうです。

そういうところがそこはかとなく、日本人の私の精神に共鳴したのでしょうか。

 

私はコクトー版のラストシーンが、映画史上に残る素晴らしいシーンだと思っています。

ハッピーエンドのようで、実はそうでない気もします。

真実の愛を得たもの同士は、この世のどこにも居場所はなく、しかし、この世の全てを手に入れるのです。

 

 

そんなことを、少女のときから私はずっと思っているのです、コクトーの映画を見てからずっとです。

なので、ディズニー版の映画はどれも、なかなか受け入れられるものではありません。

 

でも、心の隅で思うのは、ディズニー版の製作者だってきっとコクトーの映画を好きなんだと。

二次創作、ってありますよね。

そんなんなんだろうなと、思うようにしています。

 

そして声を大にして言いたいのは、コクトー版の美女と野獣も、ぜひ映画館で上映してください。この機会に!

| 観る | 22:04 | - | - | pookmark
エリザベス・ペイトン展  原美術館

エリザベス・ペイトンの絵のTシャツをタグボートかどこかでネット通販していて、ああこのTシャツかっこいいと思っていました。何年も前です。

 

そんなもんだったんです。エリザベス・ペイトンの絵は。

 

すごく人気があって、どうのこうの、専門家の批評http://www.art-it.asia/u/HaraMuseum/EfqidXFuato43SHDrU1Y

を読むととてももっともらしく解説をしてくれているので、これを読むと、ははーっって気になる。

 

アンディ・ウォーホルのとった手段と同じようなものなんだけど。

それに、美大生がちょろっと模倣して遊んでみた、名画や有名人の肖像画(無許可に)に似ている作風。

美大生だったら、こんなの俺にも!って思えるレベルの絵です。

肖像画とか言っても、本人にどうしても似てるし。

それ以外の何物でもない。

 

それが現代肖像画の大家になっております。

 

あまりにも堂々としておるが故、批評家も絶賛です。

 

 

アメリカ人の絵だなーって思います。

色使いとかモチーフ、表現方法が。

静物画なんかは、スーパーマーケットのビニールクロスとかのデザインみたいで。

 

でも、何かが違うんでしょうね、そういう大量生産の物と。

 

完璧に整ってないから、製品にならない。

 

 

有名人や名作を描き直すことで有名になるというのは 最も卑劣と思われがちですが、人間の脳は全て模倣から始まるのです。

ましてや、前衛がすでに前衛でなくなっているこの21世記初頭に、これ以上の何を求められるというのでしょうか。

人は見たいものを見るのです、そこに画家がつけ込んで何が悪いのでしょう。

見たいもの見たさに等価を払うのです。

 

原美術館が取り上げるというのもバッチリですね。

 

六本木でも横浜でもない、いいところです。

 

時間があれば見にいこうと思います。

原美術館のランチは美味しいです。

 

会期中にミュージアムショップでTシャツ売ってたら、買おうかな。

| 観る | 18:05 | - | - | pookmark
映画 「たんぽぽ」

伊丹十三以前と以後では日本映画が随分変わったのだと思う。

 

今回改めて全作品を見直してみた。

一番面白かったのがたんぽぽ。

 

この一本を見るだけで、伊丹十三の早すぎる死を理解できる。

 

最後の作品、マルタイの女を見終わって思ったのは、伊丹十三のユーモアを三谷幸喜が引き継ぎ、暗いエロスとバイオレンスを北野武が引き継いだというような気がする。

 

伊丹十三は、豊かな人だったんだと思う。

昭和の文化を濃縮した人。

 

あのまま映画を作り続けていただどんなだったろうか。

名作を作り続けられただろうか、その辺りは疑問。

 

芸術はおしなべて、その時代を映すもの。

黒澤を始め、皆、時代とともに骨をうずめてきたと思う。

 

今はなんという時代なのだろうか。

 

名作を見るにつけ、自分が海に囲まれた砂上に取り残されたような気分になる。

 

 

 

| 観る | 21:18 | - | - | pookmark