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高畑勲ドキュメンタリーを観ました

数時間もあるドキュメンタリーでした。

高畑勲さんがかぐや姫を作り始めてから終えるまでを追ったドキュメンタリーです。

 

 

私は、この、かぐや姫というアニメーション、大傑作だと思ってるんです。

去年、このブログでも手放しでその素晴らしさを書きました。

http://bigcatssleep.jugem.jp/?eid=635

でも、その時、一つだけ、わざと言わないことがありました。

 

基本的にこのブログでは、わたしが感じた面白いことやいいことなどを載せます。

できるだけネガティブなことは言わないように努めています。

 

そして、かぐや姫で、言いたかったけどグッとこらえたことというのは、そのことの重大さがあまりにも重大だったから。

かぐや姫を評価しているにもかかわらず、これを言っちゃおしまいになってしまうからでした。

 

 

それは、最後の歌です。

 

歌手の名前、覚えてません。

ドキュメンタリー見ましたが、それでも、名前覚えてません。

 

 

なぜ、あの、歌、あの曲、あの歌手、だったのでしょう。

 

 

あのせいで、あれは、アニメ、になってしまったのです。

 

 

私はそれを忘れようと努力して、忘れてました。

でも、このドキュメンタリーを見て、愕然としました。

そしていつかここでそれを書かねばならないと感じました。

 

 

映画というのは監督のものです。いつも言いますが。

だから、あの曲はあれで良いのです。高畑監督が心より望んで、何の問題もなく、驚異的にスムーズに、使われることになった。

それまであの映画は、監督本人が言っていたように、一枚の絵を描くごとく、多くの人と時間と手間をかけて作るから大変なんだと。

自分のコンセプトを、自分の芸術を他人の手を借りて作り上げるのは本当にえらいこっちゃですよ。

 

そうしてものすごい苦労して作り上げた映画とあの曲が全く合ってないんですよ。

 

全く違和感なんですよ。

 

もうそれはがっかりして崩れ落ちるレベルでした。

 

なぜ?

 

どうして?

 

どうして最後の最後にオタク表現になっちゃったんですか?!

 

 

激しい怒りを感じるほどだったのです。

 

 

もう忘れ去りたいほどのショックだったのです。

 

 

でも、このドキュメンタリーを見て理解できました。

 

 

監督の、人生の中に常にあった女性性、ユングの論におけるアニマ、だったのですね。

 

 

もう仕方がない。

 

映画と全く釣り合っていないあの歌が、あそこにあったのは、監督の無自覚なアニマを、最後の最後にのっけたかった。

もうこれは仕方がなかったことなんだと。

 

それまでずっと冷徹に自分を見つめ、分析し、表現を研ぎ澄ませて映画を作ってきたにもかかわらず、あの歌手にすべてを丸投げしたのは、監督自身が男らしい方で、彼自身の中に生きる女性に忠実であっただけの話だったのですね。

 

私は、少し、がっかりしました。

 

宮崎作品の中にも感じられる、特に、結核の女性が出てきたやつ、もう、名前も思い出せないんですけど、あれもそうでしたね。

齢を重ね、自身の中にあるアニマを押さえつけることができなかった。

 

 

アニメクリエイターの無自覚な自己表現というのは背筋が凍る時があります。

 

 

そういうのをわかっていたからこそ、あの傑作映画「かぐや姫」を作れたのだと思っていました。

でも、違かったのです。

 

 

映画は監督のもの。

 

私のものではないのだ。

 

 

そう思ってまた、いろいろと忘れることにしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 観る | 22:20 | - | - | pookmark
ラッセ・ハルストレム「僕のワンダフルライフ」

絶対泣くのはわかっていつつ鑑賞。

 

ラッセ・ハルストレム監督作品は全部大好きです。

 

死んだ飼い猫たちにまた会いたいと毎日願っている私には、ラストシーンでは窒息しかけるほど泣きました。

 

輪廻転生って東洋思想だと思っていたのですが、西洋でも受け入れられたのですね。

生まれ変わる思想という方が、人生一度きりという考えよりも古いのかもしれません。

 

 

この監督は、孤独な人を描くのがうまい。

 

どんな人間も孤独なのだけれど。

 

犬や猫は本当に素晴らしい。

 

これを虐待する人間は悪魔だと思う。

 

 

 

| 観る | 21:26 | - | - | pookmark
映画「ブレードランナー2049」

 

ブレードランナーは前作も大ファンです。

原作本も読みました。

 

そして、その続編と言われるこの映画、やっと見ました。

 

大好きなライアン・ゴズリングとジャレッド・レト、そして昭和世代の永遠のヒーロー、ハリソン・フォード。

監督は先日鑑賞して大いに心を打たれた「メッセージ」のドゥニさん。

音楽はハンス・ジマーと、無敵です。

 

お話としてはですね、暗いです。

デッカードが出てきて、ワッシャワッシャ走り出してようやくエンタメ感が出てきて。

 

色感がやはり「メッセージ」と同じだったわね。

内容も。

SFの普遍的なテーマよね。

未来を描いているのに、時間が過去を顧みざるをえなかったり、古代の話になったり。

記憶、受け継がれてゆくもの。

 

 

今回この映画を見ながらボーッと考えていたのは、自ら愛を捨てた人の記憶はどのように改竄されているのかなと。

 

あんなに愛し合っていたはずなのに、気がついたらもうちっとも愛してなかった人と共有していたはずの過去の記憶が、愛を捨てた途端、なくなってしまってるんじゃないかと思って。

もしくは書き換えられている。

 

愛し合って結婚したはずなのだけど、今振り返ってみると、本当に愛していたのかどうかわからない、というクソみたいな台詞はよく耳にします。ホントうんざりなのですが。

 

人は勝手だ、と思うのは、

 

その過去を都合の良いように改竄したのを目撃した時

 

の場合が多い。

 

 

絆、絆、と日本人が言い出したのは数年前ですが、過去の記憶を共有しなくなった時、絆なんかあっさり消えるのだと思います。

いかに過去を共有するか、が、仲良しの秘訣なんですよ、世界の皆さん、政治家の皆さん、そうではないですか。

 

 

 

ちなみに。

 

 

小さい頃の思い出をほとんど覚えてない人もいるんですよ。

 

そういう人が多いと思います。

私も100パーセントは覚えてません。

 

あまりにも辛い出来事を、すっかり忘れる人もいます。

 

見たものはきちんと脳に記憶されてますから、思い出せない、思い出したくないってだけの話なんでしょうけれども。

 

 

主人公のKの記憶を鑑定した博士が涙するのですよ。

私も涙しましたよ。

記憶が曖昧なところへ持って、他人から、それ、正しい記憶じゃないと非難されたら、パニックになります。ひどい話です。

 

統合失調症とか、アルツハイマーとか、海馬に関係する病気の方はとてもお辛いと思います。

 

私も悪夢を見たときは記憶がごっちゃになり、24時間以上ごっちゃになったままで生きねばなりません。

そういうことがしょっちゅうあって辛いです。

 

この映画は今はやりのAIに絡めてのストーリーではありましたが、

舞台はすでにディストピアなんですね。

 

今この時代もすでにディストピアなんですかね。

ひどいもんじゃないですか?

狂ってること、多くないですか。

 

AIとしか愛しあえない時代、もうすぐそこですよ。

AIは記憶改ざん、しないですかね。

 

 

私は割と物忘れがひどい人で、でも、昔のことではっきり覚えていることも多い。

忘れられないことが多いのは苦しいだけのような気もする。

でも年々、いいことばかり思い出すようになる。

悪いことも覚えているけど、涙するのは良い記憶の時。

幸せだった記憶。

 

こういうSFを見ると、心打たれるのはやはり、そういうところかしらね。

 

 

 

| 観る | 21:04 | - | - | pookmark
映画「万引き家族」

 

これだけの壮大なテーマをよくぞここの時間内で収められたなというのが見終わった時の感想です。

人類が文明を得て長らくテーマとしてきたすべての問題がここに詰まっている。

賞をとってあたり前でしょう。

ギリシャ神話を見ているようでしたよ。

 

是枝監督作品については過去にブログ記事にしてます。

だいたいいつもいい映画を撮ってくれます。

 

 

この映画に対する批判はたくさん目にしました。

良い評価に関してもたくさん目にしました。

この映画は日本映画にとって数十年ぶりの快挙というか、よくぞ描いてくれたという感じです。

黒澤明を始めとする往年の巨匠に並んだと思います。

 

映画の詳細については語るつもりはないのですが、この映画は、基本的にエンターテイメントとしての表現である映像芸術である、ということが大前提で感想を書きます。

 

 

是枝監督はリアリズムの人なんだと思うのですね。

リアリズムであるということは社会的であるということなんです。

昔のイタリア映画のような、ケン・ローチのような。

リアリズムであるということは怒りとユーモアがあるということです。

 

 

この映画や物語に現実味を感じないという人は随分幸せな人だと思います。

あの汚え一軒家にリアリズムを感じられない人は幸せだというより、その生き方に軽薄さを感じます。

人はきったないもんです。

明るく可愛らしい風俗店の裏側も汚いのですが、まるでアイドルがこれからコンサートに行くような雰囲気です。

犯罪を犯してもけろっとしてる子供なんていっぱいます。

 

 

実際にその人間の汚さを知ってるのはあまり幸せではないかもしれませんが。

幸せとはなんなのか、私にはよくわかりません。

ただ、好きな人と美味しいものを食べてる時は幸せなんだと思います。

 

この映画で好きなシーンは、夫婦二人がそうめんを食べているところ、夕立が来て、セックスが始まるところ。

婆ちゃんが海辺で一人、この上なく幸せな顔をするとき。(ここが一番涙出た。さすが樹木希林)

駄菓子屋の親父が、妹には教えんな、といったとき。

見えない花火の音を聞いてみんなで夜空を見上げるとき。

母親が、息子の誘拐場所を告げたとき。

 

 

その母親が尋問中に泣くのですが、その泣き方がケイト・ブランシェットの魂をつかんだようですが、ああいう風に泣く人を私は何人も見たことがあります。日本人特有の泣き方なんでしょうか。ひたすら耐えて、怒り、悔しく、諦めを知ってる人の泣き方で、私はこれを知っていたので、さくらさんはすごいなと。だからさくらさんが主演する朝ドラは見られませんでした。

エンターテイメントってわかってるんですけどね、それでも。

 

人の汚さを寄ってたかって罵倒し、罰を与える、疎外し、心の奥底で死を望む。

それも人間です。

捨てられた子供を無条件に愛し育てられるのも人間です。

私はこの業から逃れたいのですが。

 

 

是枝監督の次回作、どうなるでしょうね。

時々ゆるいの作りますから。

次はそうなるのかな。

ドヌーブとビノシュを一度に使えるって贅沢ですよね。

 

 

 

 

 

 

| 観る | 18:14 | - | - | pookmark
映画「アンコール」

原題はソング フォー マリオン。

老夫婦と年寄り合唱団のお話。

 

ベタな映画なのはわかってましたから、どうしてそれを見る気になったのかというと、テレンス・スタンプとヴァネッサ・レッドグレイブが主演だったから。

 

大御所が死ぬ間際の年寄りをどんな風に演じているのかが見たかった。

それと、ヴァネッサ・レッドグレイブが歌うトゥルーカラーズが聞きたかったから。

 

わかってはいるけど泣けるシーンばかり。

自分はどんだけ弱ってるのだろうと不思議だったわ。

 

テレンス・スタンプも相当な爺におなりになっていたけれど、なんですかね、瞳がね、若い頃のままなんですよ、あの青い瞳が若い頃のまま。目は心の鏡。素晴らしい。

 

そして、合唱団の中でも抜きん出て大女の婆様を演じたレッドグレイブ。

登場のシーンで世界各国のお姐さんたちが口笛吹いて歓声をあげたのが聞こえたわよ。

 

私が娘の頃、蜷川幸雄さんに、今まで出会った女優で一番かっこよかったのはヴァネッサ・レッドグレイブだった、お前もそんな人になってみ、と言われたことがある。

 

妄想じゃなくってよ!

 

パクられたとか、あたくしまだ言わないだけの脳みそと記憶力はあるわよ!

 

何故そのように女の魂磨きを焚きつけられてしまったのか、あたくし幸か不幸か、女としてのお手本がレッドグレイブになっちまったのよね。

そんな娘っこはたくさんいるだろうけども。

 

 

あたし

 

が ん ば る (もうすぐ50)

 

 

 

というわけで、この物語の中のマリオンがヴァネッサなのですが、すんごい女優魂炸裂してたわ。

あんな死ぬ間際の婆さんをすんごいリアルに演じてた。

すごいリアリズムだった。

死相を演じているのがマジだった。

演技なのほんとに、そんな醜さを表現できるの、と、私は感嘆しきり。

 

 

そろそろあたくしは50になり、82になるヴァネッサから教わることはまだ多いわ。

 

ばばあになっても気合十分!

 

に生きていきたいわ。

 

・・・・・・と、脳みそでは思いつつ、昨年から数週間ごとに発熱と喘息発作を繰り返しており、息も絶えだえ。

 

 

あたし

 

 

 

が  ん   ば(以下略

 

 

 

 

 

| 観る | 23:33 | - | - | pookmark
1977年ドラマ版「砂の器」

 

松本清張や横溝正史の魂の遺伝子をあたくしは持ってます。

そのような日本人は多いのではないかと思いますが、昭和世代がどんどん死ねば、その魂の輪廻は絶えてゆくかと思います。

 

砂の器、これも何度か映像化されていますが、やっぱり、その時代の空気というのが写りこまれた画面というのは目が離せないんですよ。

リアリズムというのはそういうことなんだと思います。

 

豪徳寺駅の自動販売機コーナー、カップヌードルとかチェリオとかアサヒビール専売とか、そんなの今ありますか。

電車も、アパートの間取りも、刑事の着ている背広、女性のヘアメイク、もう、この映像の中にある風景、視覚的な情報、文化、人間の精神、全部、もうないんですよ。

 

原作は永遠にその失われたものを止めておくことができるけれど、今それを映像化してリメイクしてどうなるんだろうかと正直思います。

原作とは詳細が変わってしまっていたりすることだけでももう、あの時代、戦後の日本が捨ててきたものが失われてしまう。

この77年版のドラマでも、犯罪の大元である親子の存在が変更されている。

もし、令和のこの時代、原作の設定通りの親子を描けるだろうか。

ハンセン病に侵されたが故に受けた差別に基づく、この犯罪の源を。

過去をすべて捨て去って、別人として生きる理由が、現代とはまったく違う気がします。

 

このドラマの注目は、主演、仲代達矢と脚本、隆巴の夫婦で作り上げているところ。

稀有なパートナーシップだったんだなあと。

その二人が共演しているシーンは結構好きなシーン。

うまいなー、と。

 

そして、田村正和。

 

この方がどうして大スターになったのか、未だに私にはわかりません。

あの雰囲気というか醸しているものがというかなんというか。

よくわかりません。

 

それも時代でしょうか。

 

この作品を見る機会がありましたら、ぜひお見逃しなく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 観る | 23:13 | - | - | pookmark
映画「私は、ダニエル・ブレイク」

 

 

ケン・ローチの映画で初めて見たのは「リフ・ラフ」。

20歳ぐらいの時でした。それからずっとケン・ローチのファンです。

ケン・ローチの映画に出ていた頃のロバート・カーライルが大好きです。

いかにもイギリス的で。

 

 

ケン・ローチの映画を見る時には気合が入ります。

「ダイハード」とか見るのとは大違いです。

ダイハードも大好きで、テレビでやってたら絶対見ちゃいますけども。

 

今回も、身にしみました。

特に、自分もかなり社会から受け入れられていないので、しかも、あまりの理不尽さに、ダニエルのセリフ全部が超理解できてしまうので、その辺りで涙ぐむことが多かったです。

 

 

真面目で優しい人が、社会からこぼれ落ちてゆく。

 

この映画の舞台のイギリスも、私の住んでいるこの国も、民主主義国家で、社会のルールを決める政治家を民主的に選んできた結果がそれです。

 

民主主義は、弱肉強食と読んでもいいのかと。

 

障害者、被差別者、性別、それらが理由で社会的に受けている尊厳のない行為をすべて自己責任とする国において、もし、安楽死が合法になったらさぞかし大量に安楽死が選ばれるのではないかと思います。

死んだ方がいいんじゃない?というのが主な理由で。

 

自らの生き方を社会に決められてゆくことほど酷いことはない、ということを、いかに多くの人が自覚していないか、選挙のたびに思います。

 

尊厳、とはなんでしょうね。

 

私は昨年1年間、ほぼ毎日人に怒鳴られる経験をして、心身ともに壊れたところがまだ治りません。

尊厳が奪われると生きていく理由が見当たらなくなります。

生き延びるのがとても難しいと感じます。

 

たとえそれが直接的な自殺でなくても、緩慢な自死というのもあります。

 

不寛容というのはいつの時代も、どんな人間にもあることなのでしょうけれど、ケン・ローチはそれを映画として見事にいつも表現して見せてくれる。稀有な監督です。

年齢的に見てもう、そう多くは制作なさらないかと思います。一度引退されてますが、怒りのあまりこの映画をつくらざるをえなかったと。怒ることで少し生き延びられる人間もいる。

生きていこうと思える命の源をあたえてくれる芸術家は永遠に生きていて欲しいと思ってしまう。

 

この映画と、万引き家族がよく比較されますね。

こんな映画を作ってパルムドールとか、非国民、とか言っちゃう悲しい人々がいるのも事実だけど、この映画が賞を取ったのも事実。

私はケン・ローチの映画好きな人とは握手できるな。

 

 

 

 

 

| 観る | 20:55 | - | - | pookmark
映画「メッセージ」

 

衝撃を受けた映画でした。

 

すごく緊張感があって。

 

こういうSFを待ってました。

 

SFは哲学性があるとなしとでは全く違うのですが。

しっかりした哲学があるとそれは預言と同じものになります。

 

ヴィジュアルもとても良かった。

視覚芸術が身についている人が作ったというか。

 

原作のタイトルの邦訳は「あなたの人生の物語」なのです。

これが何を意味するのか、映画だけだとわかりにくかもしれません。

でも原作もまた、難解です。

 

ですが、その辺でヒットしていたり、ベストセラーになっているスピ本よりずっとずっとまともな精神の話についてだと思います。

 

そしてふと思うのですが、昨今の右傾化している人々には、この内容が届かないのではないかと思いました。

 

想像もつかない他者の創造性を受け入れるお話ですから。

 

 

とても良いSF、近年の傑作だと思います。

 

 

 

 

| 観る | 20:36 | - | - | pookmark
映画「DARK STAR  H.R.ギーガーの世界」

 

 

公開当時とても評判が良かった映画をやっと観ることができました。

とても素晴らしいドキュメンタリーでした。

 

ギーガーは天才だったんだなと改めて思いました。

 

亡くなる直前の撮影では、彼はやるべきことをやったし、見たいものも全部見た、自分は幸せだった、と言っていたのがとても印象に残りました。

 

ギーガーの作品は20世紀以降の人間にとっての共通の悪夢となった。

自分の頭の中にあるものを現実に引き出し、より多くの人たちとそれを共有した、ギーガーは素晴らしい芸術家人生だったと思います。

 

晩年の顔つきが草間彌生さんによく似ていました。

肉体と魂のバランスが同じなんだと思います。

 

彼のアトリエ、というか、居住しているところ、素晴らしかったですね。

整理整頓なんてブルジョア的、とバカにしていたところにとても救われました。

ほんと、断捨離とか、こんまりとか、馬鹿げていると思う。

というか、天才と庶民の違いなんだと思う。

どんな貴族でも、ブルジョアでも、天才には皆及ばない。

その天才というのはギーガーのように成功した天才、という意味だけれど。

自称、天才はいっぱいいるからね。

芸事で極めている人がいなくなったのは庶民が天才を引きずり落とす事ばかりしているからだと思う。

 

天才への嫉妬の塊が、芸術も科学も駄目にしている。

 

改めてギーガーの生きてきた様を見るにつけ、彼の作品はとても静寂に満ち溢れているのだなと思う。

聞こえてくる音はきっと、胎内で聞こえてきたかすかな母親の声や心臓の音ぐらいなのではないだろうか。

その静寂が、グロテスクな具象をしのぎ、抽象さを与えている。

私たちの神経を研ぎ澄まさせる。

 

 

草間彌生も、自身の中にある恐怖を手なづけるために作品を作り続けた。

あの二人は似ていると思う。

ダリ、エルンスト、の流れを汲む、20世紀産まれの芸術だと思う。

 

そんな芸術家たちが死に絶えた後、何が生まれるのでしょうか。

 

どんな現代作家でも、過去を充分見つめる必要がある。

 

 


そうそう、ギーガーの飼い猫、ムギ三世、いいね、ギーガーはやっぱり猫じゃないと。

 

 

 

| 観る | 18:14 | - | - | pookmark
radiohead there there

 

涙出たよ、このアニメ見て涙出たよ。

 

 

| 観る | 20:45 | - | - | pookmark