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映画「アンコール」

原題はソング フォー マリオン。

老夫婦と年寄り合唱団のお話。

 

ベタな映画なのはわかってましたから、どうしてそれを見る気になったのかというと、テレンス・スタンプとヴァネッサ・レッドグレイブが主演だったから。

 

大御所が死ぬ間際の年寄りをどんな風に演じているのかが見たかった。

それと、ヴァネッサ・レッドグレイブが歌うトゥルーカラーズが聞きたかったから。

 

わかってはいるけど泣けるシーンばかり。

自分はどんだけ弱ってるのだろうと不思議だったわ。

 

テレンス・スタンプも相当な爺におなりになっていたけれど、なんですかね、瞳がね、若い頃のままなんですよ、あの青い瞳が若い頃のまま。目は心の鏡。素晴らしい。

 

そして、合唱団の中でも抜きん出て大女の婆様を演じたレッドグレイブ。

登場のシーンで世界各国のお姐さんたちが口笛吹いて歓声をあげたのが聞こえたわよ。

 

私が娘の頃、蜷川幸雄さんに、今まで出会った女優で一番かっこよかったのはヴァネッサ・レッドグレイブだった、お前もそんな人になってみ、と言われたことがある。

 

妄想じゃなくってよ!

 

パクられたとか、あたくしまだ言わないだけの脳みそと記憶力はあるわよ!

 

何故そのように女の魂磨きを焚きつけられてしまったのか、あたくし幸か不幸か、女としてのお手本がレッドグレイブになっちまったのよね。

そんな娘っこはたくさんいるだろうけども。

 

 

あたし

 

が ん ば る (もうすぐ50)

 

 

 

というわけで、この物語の中のマリオンがヴァネッサなのですが、すんごい女優魂炸裂してたわ。

あんな死ぬ間際の婆さんをすんごいリアルに演じてた。

すごいリアリズムだった。

死相を演じているのがマジだった。

演技なのほんとに、そんな醜さを表現できるの、と、私は感嘆しきり。

 

 

そろそろあたくしは50になり、82になるヴァネッサから教わることはまだ多いわ。

 

ばばあになっても気合十分!

 

に生きていきたいわ。

 

・・・・・・と、脳みそでは思いつつ、昨年から数週間ごとに発熱と喘息発作を繰り返しており、息も絶えだえ。

 

 

あたし

 

 

 

が  ん   ば(以下略

 

 

 

 

 

| 観る | 23:33 | - | - | pookmark
1977年ドラマ版「砂の器」

 

松本清張や横溝正史の魂の遺伝子をあたくしは持ってます。

そのような日本人は多いのではないかと思いますが、昭和世代がどんどん死ねば、その魂の輪廻は絶えてゆくかと思います。

 

砂の器、これも何度か映像化されていますが、やっぱり、その時代の空気というのが写りこまれた画面というのは目が離せないんですよ。

リアリズムというのはそういうことなんだと思います。

 

豪徳寺駅の自動販売機コーナー、カップヌードルとかチェリオとかアサヒビール専売とか、そんなの今ありますか。

電車も、アパートの間取りも、刑事の着ている背広、女性のヘアメイク、もう、この映像の中にある風景、視覚的な情報、文化、人間の精神、全部、もうないんですよ。

 

原作は永遠にその失われたものを止めておくことができるけれど、今それを映像化してリメイクしてどうなるんだろうかと正直思います。

原作とは詳細が変わってしまっていたりすることだけでももう、あの時代、戦後の日本が捨ててきたものが失われてしまう。

この77年版のドラマでも、犯罪の大元である親子の存在が変更されている。

もし、令和のこの時代、原作の設定通りの親子を描けるだろうか。

ハンセン病に侵されたが故に受けた差別に基づく、この犯罪の源を。

過去をすべて捨て去って、別人として生きる理由が、現代とはまったく違う気がします。

 

このドラマの注目は、主演、仲代達矢と脚本、隆巴の夫婦で作り上げているところ。

稀有なパートナーシップだったんだなあと。

その二人が共演しているシーンは結構好きなシーン。

うまいなー、と。

 

そして、田村正和。

 

この方がどうして大スターになったのか、未だに私にはわかりません。

あの雰囲気というか醸しているものがというかなんというか。

よくわかりません。

 

それも時代でしょうか。

 

この作品を見る機会がありましたら、ぜひお見逃しなく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 観る | 23:13 | - | - | pookmark
映画「私は、ダニエル・ブレイク」

 

 

ケン・ローチの映画で初めて見たのは「リフ・ラフ」。

20歳ぐらいの時でした。それからずっとケン・ローチのファンです。

ケン・ローチの映画に出ていた頃のロバート・カーライルが大好きです。

いかにもイギリス的で。

 

 

ケン・ローチの映画を見る時には気合が入ります。

「ダイハード」とか見るのとは大違いです。

ダイハードも大好きで、テレビでやってたら絶対見ちゃいますけども。

 

今回も、身にしみました。

特に、自分もかなり社会から受け入れられていないので、しかも、あまりの理不尽さに、ダニエルのセリフ全部が超理解できてしまうので、その辺りで涙ぐむことが多かったです。

 

 

真面目で優しい人が、社会からこぼれ落ちてゆく。

 

この映画の舞台のイギリスも、私の住んでいるこの国も、民主主義国家で、社会のルールを決める政治家を民主的に選んできた結果がそれです。

 

民主主義は、弱肉強食と読んでもいいのかと。

 

障害者、被差別者、性別、それらが理由で社会的に受けている尊厳のない行為をすべて自己責任とする国において、もし、安楽死が合法になったらさぞかし大量に安楽死が選ばれるのではないかと思います。

死んだ方がいいんじゃない?というのが主な理由で。

 

自らの生き方を社会に決められてゆくことほど酷いことはない、ということを、いかに多くの人が自覚していないか、選挙のたびに思います。

 

尊厳、とはなんでしょうね。

 

私は昨年1年間、ほぼ毎日人に怒鳴られる経験をして、心身ともに壊れたところがまだ治りません。

尊厳が奪われると生きていく理由が見当たらなくなります。

生き延びるのがとても難しいと感じます。

 

たとえそれが直接的な自殺でなくても、緩慢な自死というのもあります。

 

不寛容というのはいつの時代も、どんな人間にもあることなのでしょうけれど、ケン・ローチはそれを映画として見事にいつも表現して見せてくれる。稀有な監督です。

年齢的に見てもう、そう多くは制作なさらないかと思います。一度引退されてますが、怒りのあまりこの映画をつくらざるをえなかったと。怒ることで少し生き延びられる人間もいる。

生きていこうと思える命の源をあたえてくれる芸術家は永遠に生きていて欲しいと思ってしまう。

 

この映画と、万引き家族がよく比較されますね。

こんな映画を作ってパルムドールとか、非国民、とか言っちゃう悲しい人々がいるのも事実だけど、この映画が賞を取ったのも事実。

私はケン・ローチの映画好きな人とは握手できるな。

 

 

 

 

 

| 観る | 20:55 | - | - | pookmark
映画「メッセージ」

 

衝撃を受けた映画でした。

 

すごく緊張感があって。

 

こういうSFを待ってました。

 

SFは哲学性があるとなしとでは全く違うのですが。

しっかりした哲学があるとそれは預言と同じものになります。

 

ヴィジュアルもとても良かった。

視覚芸術が身についている人が作ったというか。

 

原作のタイトルの邦訳は「あなたの人生の物語」なのです。

これが何を意味するのか、映画だけだとわかりにくかもしれません。

でも原作もまた、難解です。

 

ですが、その辺でヒットしていたり、ベストセラーになっているスピ本よりずっとずっとまともな精神の話についてだと思います。

 

そしてふと思うのですが、昨今の右傾化している人々には、この内容が届かないのではないかと思いました。

 

想像もつかない他者の創造性を受け入れるお話ですから。

 

 

とても良いSF、近年の傑作だと思います。

 

 

 

 

| 観る | 20:36 | - | - | pookmark
映画「DARK STAR  H.R.ギーガーの世界」

 

 

公開当時とても評判が良かった映画をやっと観ることができました。

とても素晴らしいドキュメンタリーでした。

 

ギーガーは天才だったんだなと改めて思いました。

 

亡くなる直前の撮影では、彼はやるべきことをやったし、見たいものも全部見た、自分は幸せだった、と言っていたのがとても印象に残りました。

 

ギーガーの作品は20世紀以降の人間にとっての共通の悪夢となった。

自分の頭の中にあるものを現実に引き出し、より多くの人たちとそれを共有した、ギーガーは素晴らしい芸術家人生だったと思います。

 

晩年の顔つきが草間彌生さんによく似ていました。

肉体と魂のバランスが同じなんだと思います。

 

彼のアトリエ、というか、居住しているところ、素晴らしかったですね。

整理整頓なんてブルジョア的、とバカにしていたところにとても救われました。

ほんと、断捨離とか、こんまりとか、馬鹿げていると思う。

というか、天才と庶民の違いなんだと思う。

どんな貴族でも、ブルジョアでも、天才には皆及ばない。

その天才というのはギーガーのように成功した天才、という意味だけれど。

自称、天才はいっぱいいるからね。

芸事で極めている人がいなくなったのは庶民が天才を引きずり落とす事ばかりしているからだと思う。

 

天才への嫉妬の塊が、芸術も科学も駄目にしている。

 

改めてギーガーの生きてきた様を見るにつけ、彼の作品はとても静寂に満ち溢れているのだなと思う。

聞こえてくる音はきっと、胎内で聞こえてきたかすかな母親の声や心臓の音ぐらいなのではないだろうか。

その静寂が、グロテスクな具象をしのぎ、抽象さを与えている。

私たちの神経を研ぎ澄まさせる。

 

 

草間彌生も、自身の中にある恐怖を手なづけるために作品を作り続けた。

あの二人は似ていると思う。

ダリ、エルンスト、の流れを汲む、20世紀産まれの芸術だと思う。

 

そんな芸術家たちが死に絶えた後、何が生まれるのでしょうか。

 

どんな現代作家でも、過去を充分見つめる必要がある。

 

 


そうそう、ギーガーの飼い猫、ムギ三世、いいね、ギーガーはやっぱり猫じゃないと。

 

 

 

| 観る | 18:14 | - | - | pookmark
sigur ros glosoli

 

アーティストのセンスの変容というのは人間の成長と似ている。

 

それはイノセンスから始まる。

 

そのイノセンスは芸術活動が経つにつれ消えゆくもの。

 

U2がわざわざイノセンスと名のつくアルバムを作らざるえなかったほど、イノセンスは失われたら戻らない。

 

イノセンスが愛されたアーティストのその後にはどうしても悲しさが伴う。

どれだけ力強く表現しようとも。

 

しかしそれが人間であって、イノセンスのみ表現し続けようとする、あるいはそれ以外できないというのは明らかに知性のない証拠だと思う。

 

 

イノセンス、失われたもの、それほど愛着のわくものはない。

 

しかし絶対に取り戻せないものは生きている限りどんどん増えてゆく。

 

 

 

このMVはそういう意味で、胸がつぶれる思いで見なければならない。

 

私たちはこの肉体で生きているいる限り、崖から羽ばたき海上を飛び回ることはできないのだ。

(もしそれができると嘯く精神世界主義者がいたとしたらその者から距離を置くべきだろう)

 

 

この肉体で感じえないものを手に入れるべく命を尽くしてもがくとき、想像力だけが私たちの助けになる。

 

 

その想像力がこの世界に愛をもたらす。

 

 

 

 

 

 

| - | 16:08 | - | - | pookmark
THE CURE FRIDAY I'M IN LOVE

 

ロックの殿堂入り、おめでとうございます。

ちょっと前にRADIOHEADも殿堂入りしたのですが、THE CUREが殿堂入りした方がびっくりしましたし、嬉しく感じましたよ。

 

デヴューして40年ですか・・・

 

殿堂入りに際してのコメントで、40年という歳月を問われた時自分たちのことをファッキン爺いになったんだよ、とおっしゃっていましたが全く、その通りでございます。あたくしもファッキンババアになったのですよ。

 

それにしても、モリシーの老け方には時々胸を締め付けられる思いがするのですが、ロバート・スミスの場合、毎年のふけこみ方がとても楽しみで仕方がないんですね。

 

何をどうやってもロバート・スミス。

 

60歳になってもロバート・スミス。

 

オジー・オズボーンと同じく如何に年月を経ようとも1ミリもブレずにロバート・スミスでいてくれるというのはもう愛ですよ、愛。

 

ありがとう!ですよ。

 

 

特に好きなこのMVでもって祝福。

 

 

 

 

 

| 聴く | 22:05 | - | - | pookmark
radiohead there there

 

涙出たよ、このアニメ見て涙出たよ。

 

 

| 観る | 20:45 | - | - | pookmark
Billie Eilish  You should see me in a crown video by Takashi Murakami

 

 

ビリー・アイリッシュとともにタイムリーな10代を送る娘さん達は楽しいわね。

 

彼女は滅多に出てこない女の子アイコンだとは思うけど、女子としての表現がとてもベーシックでクラシックであり「時代は巡る」ところが、彼女の才能を豊かさを表してるわよね。(今までにない、とか、見たことない、とかっていうのは歴史を知らないだけか、販売促進のためです)

30歳になった時どうなっているのかが楽しみです。

 

 

そして、村上隆さんがビリーに関わってると聞き及び、あらまあ目ざといわねえと感心。

しかし、本当に、村上さんはジャパニーズアニメ(あくまでもアニメ)に対するコンプレックスが未だに拭えないというか、まあ、彼は監督として製作に関わった様子だけれども、なーんか、違うよね。でも、受けるとは思うよ!あの蜘蛛かなりキモかったしね!

 

でもさ、女子ものの映像で蜘蛛使うのもうやめようよ。ガッガリするよ。

なんで蜘蛛なの全く。

わかるかしら?

彼女はベーシックな女性観を表現してるけど、蜘蛛は男目線で、がっかりよ。

 

正直このPVはとても気持ちが悪くできているので、ある意味野心的で、村上さんの努力をすごく感じるし、村上さんはいつだって努力家です。

だけど、正当な評価というか、まっとうな受け入れられ方をもう少し日本でも、で、この日本での評価が変わるといいなと思ってます。

 

なのにまたこんなオチとセンスでも〜。村上さんによるオタクの解説はもういいです。ビリーの無駄遣いです。西洋人には良かったかもしれませんが、それが狙いでしょうか。だったらグッジョブでした。

 

でも、もっとガチな村上世界を期待してしまったのは間違いでしょうか。

 

 

*5月11日追記

ビリーさん、パンツ屋のCM引き受けたのね。

もうがっかりよ。

なんでかるばんくらいんとかいうパンツ屋から金もらうかね。

それも、真実の自分を見せるとかなんとか、おばちゃんがっかりだよ。

パンツ屋から金もらってパンツ?履いてなんか語っちゃったらアーティストとか言えないよ。

 

 

| 観る | 22:45 | - | - | pookmark
サイドバー追加しました

久しぶりにサイドバーのおすすめを追加しました。

サイドバーはスマホだと見られないかも。

 

このブログはPC画面で見ることをおすすめします。

スマホで見るときにはPC画面に切り替えてご覧になってください。

 

改めてコメントも書き直したり追加したり、面白くてニヤニヤしながら作業しましたよ。

 

どれもこれもおすすめよ。

 

死ぬ前に一度どうぞ。

 

 

| 読む聴く観る描く食む寝る | 15:00 | - | - | pookmark